NISA

2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)の、1年間の利用状況が発表されました。予想どおりシニアや投資経験者の利用が多いのですが、若い人や投資が初めての人にも広く利用されていることがわかりました。

800万人以上がNISA口座を開設

電卓と手帳
NISAは、専用の口座で購入した株や投資信託から得られる利益に税金がかからないという制度で、個人の資産づくりをバックアップするために2014年1月に導入されました。日本に住む20歳以上の人なら利用できます。

このほど金融庁が、最初の1年間が終わった2014年末時点の利用状況を発表しました。(「NISAの利用状況」2015年4月金融庁)

それによると、1年間に開設されたNISA口座は約825万口座。日本の20歳以上の人口がおよそ1億500万人(*1)とすると、100人中7~8人がNISA口座を開設した計算になります。

年齢別の比率で見て見ると、

20代:3.8% 
30代:8.8% 
40代:13.7% 
50代:17.0% 
60代以上:56.7%

と60代から上のシニアが半数以上を占めています。
NISA利用者年齢別

*1 総務省統計局の2014年10月のデータによる

とはいえ、2014年1月末時点の60歳以上の割合は63.4%だったので、1年間で比率が下がった、つまり20歳~50歳代の比率が伸びたといえます。口座開設の伸び率も高く、20~40歳代は1年間で倍増しています。

4人に1人は投資未経験者

開設されたNISA口座のうち、投資未経験者(*2)によるものと推定されるのは約194万口座で、全体の23.5%を占めています。口座を開設した人の約4人に1人は、投資初心者というわけです。

*2 投資未経験者:原則として2013年3月以前にNISA口座を開設した金融機関で投資経験のない人

投資信託の利用比率が高い

次に、商品別の利用状況を見てみましょう。

2014年にNISA口座で買い付けられた株や投資信託の金額は2兆9770億円でした。商品別の比率は

上場株式:32.6% 
投資信託:65.3% 
ETF(上場投資信託):1.2% 
REIT(不動産投資信託):0.9%

となっており、投資信託の利用が多かったことがわかります。
NISA購入商品別

非課税枠をめいっぱい使った人が多い

NISA口座で株や投資信託を購入した人の平均購入額を見て見ると、どの年代も80万円~100万円の人が最も多く、非課税枠をめいっぱい活用しようとしたことがうかがえます。

一方、次に多いのが0~20万円で、特に、20歳代は13.4%、30歳代は9.4%、40歳代は7.5%が、購入金額20万円以下となっています。投資できる金額は少なくても非課税メリットのあるNISAを活かそうという姿勢がうかがえます。

実は、半数以上が何も買っていない

一方、口座稼働率は全体で45.5%で、20歳代から70歳代まで年代による差はほとんどありませんでした。NISA口座を開設したものの、何もしていないという人が半数以上いるということになります。

売却率が低いのは投資信託

NISA口座全体の売却率(購入額に対する売却額の割合)は13.5%です。85%以上がNISA口座で保有し続けられているということになります。1年だけで判断するのは早いとはいえ、少なくとも短期売買の比率は低いといえるでしょう。

商品別では、上場株式、ETF、REITの売却率がいずれも28%程度なのに対して、投資信託は5.6%と低くなっているのが特徴的です。NISAで投資信託を長期保有する人が多いと考えられます。

積立投資の契約数は54.8万件。1人が複数の積立契約をしているケースもあるはずなのでなんともいえませんが、投資信託は上場株式等に比べて積立の仕組みが整っているので、NISA口座で投資信託の積立をしている人は多いとみてよいのではないでしょうか。

これから始める人はどうしたらいい?

電卓を持っている女性
NISA1年目の状況を見てみると、予想どおりシニア層の利用が多いものの、現役世代や投資初心者の利用もだんだんに増えてきていることがわかります。

とはいえ、NISAの口座をまだ作っていない人、口座は開設したけれど何も買っていない人も多いといえます。NISAを利用しない大きな理由は、「何を買っていいかわからない」ことや「値下がりするのが怖い」ことなのではないでしょうか。

NISAで初めて投資をする人は、1万円あるいはそれ以下の少ない金額で始められる投資信託の積立を利用してはどうでしょう。積立なら値動きを気にしなくてすみます。投資信託は、シンプルでベーシックなタイプ、例えば、TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価に連動するインデックスファンドなどがよいかもしれません。どの金融機関でも扱っていて、商品による運用成績にあまり大きな差がなく、商品選びでの失敗を避けやすいからです。

転載元:All About